二人の映画に乾杯を

タイトルはMy Hair is Badの「悪い癖」から。

記憶と欠片

私は、嫌なくらいに、記憶力がいい。

 

大体1回行った場所は行き方を覚えるし、

乗り換えに使った駅名も覚えている。

 

何回か脚本を読めば台詞はすぐに覚えられる。

 英語の単語も何回か書けば早い段階ですぐに吸収できる。

 

 

だから、嫌なくらいに、

君の体温、

治らない猫背、

少し癖のある声、

好きな映画監督の名前、

年齢に似合わない口癖、

最寄り駅の名前、

 

全部。

 

一度会っただけなのに、こんなにも細かく、

五月蝿いくらいに、泣き出しそうなくらいに、

鮮明に覚えている。

 

何故か私は、

毎回君の最寄駅で、君が落とした欠片を、

私の記憶を頼りに探している。

 

 もう一度だけ君とスクリーンで、

君が好きだと言っていたあの映画が観たい。

 

その時にはもう私は既に観ていると思うけど、

知らない振りをするから

 

だから、もう一度だけ。