二人の映画に乾杯を

タイトルはMy Hair is Badの「悪い癖」から。

朝方、あの時の君の言葉を。

何度も、何度も、あの人の顔を思い出していた。

 

そうでないと、消えてしまう気がして、

そうでもしないと、もう会えない気がしたから。

 

あの人からの連絡は来ない。

完全にペースを乱されている私は、

少し寂しくなりながら、あの朝方を

思い出し、満たされ、我に返った。

 

胸がぎゅっと締めつけられる感覚を

いつの間にか忘れていた私は、

久しぶりな感覚に少し困惑した。

 

何も知らない私は、平気なフリをして

長く暗い廊下を一人懐中電灯を付けないで歩くような、そんな思いで待っている。

 

自分を信じるのが嫌になる。

でも、誰かの言葉を信じるのも嫌だ。

 

綺麗な想いは漆黒の海に沈み、

欲望だけが浮遊する。

 

満たしても満たしても、

欲望は消えることなく次々浮かぶ。

 

きっと私たちは満足することを恐れている。

 

満足してしまったら、空っぽになってしまうのではないか。

空虚感を埋めるための欲望が、空虚感を埋めてしまい、何も無くなることへの恐怖心に変わり、そしてまたその恐怖心を埋めるための空虚を作ってしまう。

 

悲しいくらいにジレンマだ。

 

それならいっそ、想いなど、無い方がマシだ。

 

私はわざと悲しい曲を聴き、泣けない気持ちで枕に顔をうずめた。